その後しばらく走ったが、たまに目を覚ましつつほとんど寝ていた。
牛に進路を阻まれて車が止まったり、大きなトラックが道を逆走してきたり。
ルールが無いのがルールと言った感じの、インドの道路交通を断片的に記憶している。
助手席にいる自分が怯えたからと言って、交通事故に合わないわけじゃないし、
なるようになれと、あきらめて寝ていた。
でも実際ドライバーは、なかなかのドライビングテクニックで、
私を砂漠と湖の街プシュカルまで送り届けてくれた。
到着直前にドライバーから、
「この街では、酒は飲むな」「花を渡されても受け取るな」という注意をされる。
街にはたくさんの寺院があり、車でホテルまで走る間にもいくつも通りすぎた。
小さな街だが、400くらいの寺院があるらしい。
おそらく、聖地だから酒が飲めないのだろう。
花を受け取るなというのは、花を渡してから金を要求する子供がいるらしい。
ホテルに到着。なかなかいい感じのホテルだ。
私がチェックインしたすぐ後に、白人の美女たちがチェックインしてきた。
みんな10代後半くらいのかわいい女の子で、女子だけで旅をしている様だった。
お近づきになりたかったが、英語が出来ないのが悔やまれた。
ドラクエの鍵のような部屋の鍵を受け取り、部屋に案内される。
大きなバックパックを置き、キングサイズのベッドにダイブ。
連日、飛行機と車内でしか寝ていないので、久々のベッドだ。
危うく寝てしまいそうになる。
ホテル内のレストランに食事に行く。
またカレーを食べる。宗教的な街だからか、すべて「ベジ」のメニューの様だった。
新しい食べ物に挑戦しようと、メニューを適当に指さして注文。
豆腐みたいなものが入ったカレーだった。美味しかった。
シャワーを浴びにバスルームへ。
バスルームも結構広い。トイレには、お尻を手で洗う用の桶とホース状の水洗がある。
もちろんトイレットペーパーもある。(でも少ししか紙が巻かれていない)
何事も体験してみなくては分からないと思っていたが、インド式のトイレの作法は実行しなかった。
最初の旅行会社で、ホテルのグレードを決める際に、
上・中・下の3段階のどの変がいいかと聞かれた。
上は高価なホテル、中はそこそこ、下は安いホテル。
私は安いホテルで充分と思っていたが、「下」のホテルはお湯が出ないと言われ、
お風呂が大好きな私は「中」ランクのホテルに決定した。
バスタブは無いが、熱いお湯を浴びればリフレッシュ出来る。
さっそく服を脱いでバスルームに入る。お湯の蛇口を開くが一行に湯が出てこない。
シャワーの上部に電気式の給湯器のようなものが付いていて、おそらくここでお湯を沸かしているのだと思われるが、スイッチを入れ直してもお湯は出ない。というか電源が入らない。
プシュカルはインドでも北の方で、季節は2月。夜は肌寒く水を浴びるのはキツイ。
普段クレームをつけたりは出来ないタイプなのだが、これは言わないとだめだと思い。フロントまで足を運んだ。たどたどしい英語で状況を説明し、部屋まで来たもう。ホテルの人が、何度か試しているが、やはり壊れているようだ。その後、あっさり部屋を変えてくれた。
勇気を出して言ってみてよかった。新しい部屋は、問題無くお湯が出るようだ。
やっとシャワーを浴びられる。普段使っているシャンプーも日本から持ってきている。蛇口を開けると温かいお湯が降り注いできた。体温が上がっていく幸福感。
体が温まったまま布団に潜りこみ、そのまま眠りたい。。。。と思ったがつかの間
温度がみるみる下がっていく。また壊れたのかと思って給湯器を見てもランプが付いている。どうやら一番最初の一瞬だけ熱いお湯がでるだけで、すぐ温度が下がってしまうようだ。
おそらく他の部屋も一緒だろう。
その後いろいろなホテルに泊まるが、どこもこんな感じだった。
水より多少温かい水が出るというだけ。
震えながらシャワーを浴び、ベッドに飛び込んでで眠った。
そして、これが原因で悪夢が起きる。
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